森岡徹也さんという人
今日はレコーディングエンジニア、森岡徹也さんについて書きたい思います。
ソニーミュージックと仮契約になった1998年、僕は半年で50曲作れという法外な指令に従って、エブリデイ曲作りという日々を送っていた。
なんとかゴールが見えてきた頃に、じゃあデモテープを録ろうぜという事になり、紹介されたのがこの人だった。
当時森岡さんはソニーミュージック信濃町スタジオと言う、素晴らしいスタジオのメインエンジニアで、名だたる有名アーティストの録音に携わって来ており、デビュー前の無銘新人としては非常に光栄な出会い。
実質CDにもならなかったその音源の制作から始まり、デビュー後のシングル、アルバムを含めて大久保海太名義の作品はほとんど森岡さんに録ってもらってきた。
僕がレーベルを離れて、森岡さんがソニーを離れてからも関係は変わらず、双方の自宅での録音も数え切れないくらい。
酒好きで大抵お互いベロンベロンになるまで飲む。
最近は森岡さんの家に行くと、実家に戻ったような変な気持ちになる。
奥さんもお子さんも、家族感が止まらないと言う。笑
今でこそこんな感じだけど、一時は言い合いになったりメチャクチャ怒られたりして、2年くらい疎遠だったこともあった。
その間はちょうどCORONA sessionsをやってたので、録音は中野健太郎さんにお願いしてたんだけども、久しぶりのソロ作品となれば、やはし森岡さんにお願いしたいと。
今作で一緒に録音するのは実に7.8年ぶり!
レコーディングエンジニアという仕事は、マイクを立てていい音を録音する職人という立ち位置なのだけど、森岡さんとはなんせ20年の付き合いなので、僕はもっと大きく依存している。笑
どういう作品を録るために、どういう事が大切なのか、何に気をつけるべきなのか、演奏のレベルから沢山話します。
ダイナミクス、距離感、表情に至るまで、ものすごく音楽を理解して、音楽を愛している感じがすごいです。
だもんで、森岡さんとやったかどうかは、音質のみならず、歌や楽器の演奏にも大きな影響がでる。
これはもうプロデュースと言った方が近いかもしれない。
今回の作品 アンソロジー1は、そういった歴史や人間関係も一緒に録音されてます。
曲と歌詞だけじゃなくて、演奏の雰囲気や音質にも注目して聞いて欲しいと、切に思ってます。
それから、海の日のライブPAもどさくさ紛れに森岡さんにお願いしました。
音、良いです絶対。